【自然享受権】

さて、アウトドアを楽しもうとなって、いざどこでも出いいからやれば問題ないと勘違いしてしまう人も中にはいるだろう。

そうして場合、トラブルに合うのは十中八九見えているので、少し法律的な話を交えておく。

『自然享受権』というなんのこっちゃという話だが、日本で言うなら『環境権』と言った方がまだ馴染みが深いだろうか。もともと環境権自体が健保の中には明記されていない『新しい人権』の一つのため何ともいえないが、そのことを語りたくて話題に出したわけではないので今は置いておく。

【北欧圏の場合】

では自然享受権というものはなんなのか、ということだがこれは本来北欧圏で古くからある慣習法なのだ。主に、自国以外の旅行者など全ての人に対して認める権利であり、他人の土地への立ち入りや自然環境の享受を認めるといったことをさしている。

日本人には全く馴染みのないものだと感じるのは、日本では私有している土地に他者が入り込むことを拒むといったことがほとんどだ。自身が保有している財産としての土地内で、勝手にあらされ、ゴミを捨てられたりなどの被害をこうむることを避けたいのが大きい。

ではこの権利では利用者はどんな自由を認められるのかというのだが、以下のようなことである。

1,通行権(徒歩、スキー、自動車による通行)

2,滞在権(テントでの宿泊を含め、休息、水浴びのための短期滞在)

3,自然環境利用権(土地の所有者に対価を支払わない、野性の果実やキノコ類の採取)

4,果実採取権(土地の所有者に対価を支払わない、野性の果実やキノコ類の採取)

当然だが、禁止事項もあり、原則的に自然を破壊すること、所有者を煩わせることの二つだ。

また国によっては詳しく明文化していることもある。

デンマークの場合、人口密度が高いために利用者の権利を制限するため、1969年に制定された自然保護法で明文化される。

ノルウェーでは古くから慣習法として成立し、1957年に制定された野外余暇法の中で明文化され、策で囲われた内側とかこわれていない外側によって権利が区別されている。

スウェーデンでもまた古くからあり、自然享受権は憲法で保障されている。ただし多くの部分で慣習法に委ねられているということもあり、問題点は多い。また権利の中には鳥獣の狩猟については権利に含まれていない。

この国では国有地・私有地に関わらず、慣習的に保護されており、土地所有者は森林や再生可能資源の保護を義務付けられており、土地所有権と利用権を持つと同時に自然環境の維持義務を負うことになる。

近年ではハングライダーやマウンテンバイクなどのアウトドアスポーツの普及で大会などが頻繁に開かれるようになり、自然が踏み荒らされるケースが出始め、自然享受権についての論争が焦点となっている。

そうだ お散歩しよう

【日本の場合】

ではこうしたことを日本の場合に当てはめて考えてみると、慣習として自然享受権という言葉自体が馴染み深くないが、環境法と置き換えれば何となく察しの付く人もいるだろう。

環境権とは良好な環境の中で生活を営む権利の事を指している新しい人権で、日本国憲法第13条の『幸福追求権』を根拠に主張され、学説としては今はその節としての地位を確立しているほどだ。

主張され始めたきっかけとしては、騒音問題や深刻化していた環境破壊など、社会問題に発展していたものが多くなっており、そんな中で健康で快適な環境の下で暮らす権利として主張され始めた。

確かに最もないきさつではあるものの、結局は高度経済成長の中で考えずに発展ばかりを意識した技術開発の結果、環境破壊を引き起こした原因ともなれば、どうしても自分達が引き起こしたこととなれば自己責任としか思えない。

無論この時代の経済成長がなければ今日までの日本の技術がのびることはないため、否定はしない。

只むやみやたらに開発を進めたことがきっかけで跳ねっ返りがただでは付かないほどの代償として帰ってきてしまった、というのに他ならないだろう。

 

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